相談がやっとまとまると、臼と昆布と蜂と栗は、子がにを連れて猿のうちへ出かけて行きました。猿はたんと柿を食べて、おなかがくちくなって、おなかこなしに山へでも遊びに行ったとみえて、うちにはいませんでした。
「ちょうどいい。この間にみんなでうちの中にかくれて待っていよう。」
と臼が言いますと、みんなはさんせいして、いちばんに栗が、
「わたしはここにかくれよう。」
と言って、炉の灰の中にもぐり込みました。
「わたしはここだよ。」
と言いながら、蜂は水がめの陰にかくれました。
「わたしはここさ。」
と、昆布は敷居の上に長々と寝そべりました。
「じゃあ、わたしはここに乗っていよう。」
と臼は言って、かもいの上にはい上がりました。
夕方になって、猿はくたびれて、外から帰って来ました。そして炉ばたにどっかり座り込んで、
「ああ、のどが渇いた。」
と言いながら、いきなりやかんに手をかけますと、灰の中にかくれていた栗がぽんとはね出して、とび上がって、猿の鼻面を力まかせにけつけました。
「あつい。」
と猿はさけんであわてて鼻面をおさえて、台所へかけ出しました。そしてやけどをひやそうと思って、水がめの上に顔を出しますと、陰から蜂がぶんととび出して、猿の目の上をいやというほど刺しました。
「いたい。」
と猿はさけんで、またあわてておもてへ逃げ出しました。逃げ出すひょうしに、敷居の上に寝ていた昆布でつるりとすべって、腹んばいに倒れました。その上に臼が、どさりところげ落ちて、うんとこしょと重しになってしまいました。
猿は赤い顔をありったけ赤くして苦しがって、うんうんうなりながら、手足をばたばたやっていました。
そのとき、お庭の隅から子がにがちょろちょろはい出してきて、
「親のかたき、覚えたか。」
と言いながら、はさみをふり上げて、猿の首をちょきんとはさみではさんでしまいました。