← Library‹ かいじん二十めんそう 14

かべのあなから、水みずが、おそろしいいきおいでながれこんできます。

はこのようなコンクリートのちかしつですから、水みずはたまるばかりです。

三十さんじゅうセンチ、五十ごじゅうセンチ、一いちメートル。もう、水みずが、こばやしくんのむねまできました。

かべには、なんの手てがかりもないので、よじのぼることもできません。

いっぽう、ポケット小こぞうは、まちのけいさつしょにかけつけていました。

二十にじゅうめんそうをおいかけてきたおまわりさんたちは、一ひとやすみしていました。

ポケット小こぞうのはなしをきくと、

「それっ」

といって、みんなじどうしゃにのり、はやしの中なかのようかんへいそぎました。

ちかしつでは、水みずが、もう、こばやしくんのくびまできました。それから、あごまで、口くちまで、はなまで……。

いきができないので、およぐほかありません。

「ははははは。きみは、およぎがうまいね。まあ、ゆっくりおよいでいるがいい」

てんじょうで、ひげもじゃのかおがのぞいています。

おまわりさんをのせた二にだいのじどうしゃは、ぜんそくりょくではしっていきました。

ポケット小こぞうは、うんてんだいにのって、みちあんないをしています。

はやしがみえてきました。

「あっ、あそこです。こばやしさんがしんぱいです。

いそいでください」

「うふふふふ。さっきから、ずいぶんおよいだね。いったい、きみは、どのくらいおよげるんだね。つかれないかね」

てんじょうのあなから、ひげもじゃの二十にじゅうめんそうがからかっているのです。

こばやしくんは、すっかりつかれてしまいました。

もう十じゅうぷんもすれば、ちからがなくなっておぼれしぬかもしれません。

「どうだ、こんどこそおもいしらせてやるのだ。ふふふ。くるしいか、かわいそうに、なきべそをかいてるな」

そのとき、へんなことがおこりました。

いままで、わらっていた二十にじゅうめんそうが、

「わあっ」

と、ひめいをあげたのです。上うえでは、バタン、バタンと、とっくみあいがはじまったようです。

二十にじゅうめんそうは、いいきになっていたので、おまわりさんたちのきたのにきがつかなかったのです。そして、とうとうつかまってしまいました。

「こばやしさん、二十にじゅうめんそうはつかまったよ。いまたすけるからね」

ポケット小こぞうは、げんきいっぱいさけびました。

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