こうして五人の盗人は、改心したのでしたが、そのもとになったあの子供はいったい誰だったのでしょう。花のき村の人々は、村を盗人の難から救ってくれた、その子供を探して見たのですが、けっきょくわからなくて、ついには、こういうことにきまりました、――それは、土橋のたもとにむかしからある小さい地蔵さんだろう。草鞋をはいていたというのがしょうこである。なぜなら、どういうわけか、この地蔵さんには村人たちがよく草鞋をあげるので、ちょうどその日も新しい小さい草鞋が地蔵さんの足もとにあげられてあったのである。――というのでした。
地蔵さんが草鞋をはいて歩いたというのは不思議なことですが、世の中にはこれくらいの不思議はあってもよいと思われます。それに、これはもうむかしのことなのですから、どうだって、いいわけです。でもこれがもしほんとうだったとすれば、花のき村の人々がみな心の善い人々だったので、地蔵さんが盗人から救ってくれたのです。そうならば、また、村というものは、心のよい人々が住まねばならぬということにもなるのであります。