← Library‹ 花のき村と盗人たち 四

こうして五ご人にんの盗人ぬすびとは、改心かいしんしたのでしたが、そのもとになったあの子供こどもはいったい誰だれだったのでしょう。花はなのき村の人々ひとびとは、村むらを盗人ぬすびとの難なんから救すくってくれた、その子供こどもを探さがして見みたのですが、けっきょくわからなくて、ついには、こういうことにきまりました、――それは、土橋どばしのたもとにむかしからある小ちいさい地蔵じぞうさんだろう。草鞋わらじをはいていたというのがしょうこである。なぜなら、どういうわけか、この地蔵じぞうさんには村人むらびとたちがよく草鞋わらじをあげるので、ちょうどその日ひも新あたらしい小ちいさい草鞋わらじが地蔵じぞうさんの足あしもとにあげられてあったのである。――というのでした。

地蔵じぞうさんが草鞋わらじをはいて歩あるいたというのは不思議ふしぎなことですが、世よの中なかにはこれくらいの不思議ふしぎはあってもよいと思おもわれます。それに、これはもうむかしのことなのですから、どうだって、いいわけです。でもこれがもしほんとうだったとすれば、花はなのき村の人々ひとびとがみな心こころの善よい人々ひとびとだったので、地蔵じぞうさんが盗人ぬすびとから救すくってくれたのです。そうならば、また、村むらというものは、心こころのよい人々ひとびとが住すまねばならぬということにもなるのであります。

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