← Library‹ 少女地獄 殺人リレー 第六の手紙

智恵子ちえこさん。貴女きじょに最後さいごのお手紙てがみを上あげますわ。

あたしこのお手紙てがみを出だした後あとで、何処どこかへ行いって自殺じさつしますの。死骸しがいは誰だれにも見みせないようにしたいのですから、どうぞ探さがさないで下ください。

すみませんけど新高にいたかさんと妾めかけの写真しゃしんも、着物きものも、貯金ちょきんの帳面ちょうめんも、印形いんぎょうも、世帯せたい道具どうぐや何なんやかやも、みんな一纏まとめにして、貴女きじょのアテ名なで送おくり出だして置おきました。

どうぞ貧まずしい人ひと達たちに分わけて上あげて下ください。

小しょう学校がっこうに寄付きふして下くだすってもいいわ。小ちいさなオルガンぐらい買かうだけあるでしょう。

あの色いろの黒くろい骸骨がいこつみたいな刑事けいじさんの言葉ことばはやっぱりホントウだったのです。今いまやっとわかりました。

妾めかけは新高にいたかさんと夫婦ふうふ心中しんじゅうをしてみたかったのです。そうして出来できるなら自分じぶんだけ生いき残のこってみたかったのです。

そうして、それがその通とおりになったのです。

ですから妾めかけはホントウを言ゆうと夫殺おっとごろしだったのです。けれども新高にいたかはツヤ子こさんの怨うらみの一念いちねんに取とり殺ころされたと思おもって死しんだのでしょう。妾めかけのシワザとは夢ゆめにも思おもわないままだったのでしょう。新高にいたかはやっぱり妾めかけを心こころから愛あいしていたのでしょう。

そう気きが付ついた妾めかけはモウいても立たってもいられません。

そればかりじゃないのです。妾めかけのお腹なかに新高にいたかの赤あかちゃんが出来できていたのです。それがこの頃ごろになって、新高にいたかさんの事ことを思おもい出だすタンビに心臓しんぞうの下したの方ほうでビクリビクリと躍おどり出だすのです。この児こが生うまれたら妾めかけどうしましょう。

妾めかけは、妾めかけと一緒いっしょに呪咀のろわれたこの児こも殺ころしてしまいます。

妾めかけは夫殺おっとごろしの吾われ児じ殺ころしです。

貴女きじょにだけ白状はくじょうして死しにますわ。許ゆるして下ください。ミジメなトミ子この一生いっしょう涯はてのお願ねがいです。

女じょ車掌しゃしょうなんかになってはいけません。――さよなら――

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