← Library‹ カバに毛がない訳

ある日ひ、ウサギが川かわのほとりを歩あるいていました。

カバもそこで散歩さんぽをしながら、おいしい緑みどりの草くさを食たべていました。

カバは、ウサギがそこにいるとは知しらず、あやまってウサギの足あしを踏ふんでしまいました。ウサギはカバに向むかって怒鳴どなりはじめました。「おい、カバ!わたしの足あしを踏ふんでいるのが分わからないのか?」

カバは、ウサギに謝あやまりました。「ほんとうにごめんね。あなたが見みえなかったのよ。どうか許ゆるして!」けれどもウサギは聞きき入いれず、カバに向むかって叫さけびました。「わざとやっただろ!今いまに見みてろ。ただじゃすまないぞ!」

ウサギは火ひを探さがしに行いき、こう言いいました。「行いけ!草くさを食たべるために水みずから出でてきた時とき、カバを燃もやしてしまえ。やつは、わたしの足あしを踏ふんだんだ!」火ひは「お安やすい御ご用ようです。友達ともだちのうさぎさん。お望のぞみ通とおりにやりますよ」と答こたえました。

その後ご、カバが川かわから遠とおく離はなれた場所ばしょで草くさを食たべていると、「ビューン!」と火ひがつき炎ほのおが上あがりました。炎ほのおはカバの毛けを燃もやし始はじめました。

カバは泣なき出だし、水みずを求もとめて走はしりました。カバの毛けは全部ぜんぶ火ひによって燃もやされてなくなりました。カバは泣なき続つづけました。「わたしの毛けが火ひで燃もえた!わたしの毛けはすっかりなくなっちゃった。わたしの美うつくしい毛けが!」

ウサギはカバの毛けが燃もやされて嬉うれしくなりました。そして、カバはこの日ひを機きに火ひを恐おそれて、水みずから離はなれたところには二に度どと行いかなくなりました。

Click a word · hold for the whole sentence 0%