← Library‹ 窓の外の人

私わたしは子こどものころ、家族かぞくと一緒いっしょに一階いっかいの家いえに住すんでいた。そのため、窓まどの外そとを人ひとが通とおるのは普通ふつうだった。

大学だいがくに入はいると、一人暮ひとりぐらしを始はじめた。学校がっこうの近ちかくのアパートに引ひっ越こしたばかりで、まだ新あたらしい生活せいかつに慣なれていなかった。

その日ひの夜よる、私わたしはレポートを書かいていた。時計とけいを見みると、もう夜よるの11時じだった。「疲つかれた」と言いいながら、窓まどの外そとを見みた。窓まどの外そとには男おとこの人ひとが立たっていた。私わたしはびっくりした。その人ひとの表情ひょうじょうは苦くるしそうだった。私わたしは最初さいしょは泥棒どろぼうかと思おもった。しかし、その人ひとは何なにも言いわずに、ただ苦くるしそうな顔かおをしているだけだった。

「大丈夫だいじょうぶですか?」

私わたしは窓まどの外そとに言いった。

「何なにがあったんですか?」

しかし、その人ひとは何なにも言いわなかった。びっくりしたので、私わたしはそのままカーテンを閉しめた。その夜よるはなかなか眠ねむれなかった。

次つぎの日ひの朝あさ、アパートの前まえにたくさんの人ひとが集あつまっていた。警察けいさつも来きた。となりの人ひとによると、昨日きのうの夜よるにこのアパートの屋上おくじょうから、男性だんせいが飛とび降おりたそうだ。私わたしはとても恐おそろしい気持きもちになった。暑あつい日ひだったが、背中せなかが寒さむくなった。

昨日きのうの夜よるに見みた顔かおを思おもい出だした。でも、私わたしの部屋へやは12階かいだ。昨日きのう、窓まどの外そとにいた人ひとはだれだったのだろうか。

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