← Library‹ 娘の叫び

娘むすめがトイレから叫さけんでいる。

「おかあさん、来きてー! 早はやく!!」

娘むすめは6歳さいだ。トイレでうんちをしておしりをふくときに、私わたしを呼よぶ。それはいつものことなのだけれど、今日きょうはいつもと違ちがう。怖こわいものでも見みたような、助たすけを求もとめるような声こえで私わたしを呼よんでいるのだ。

私わたしが急いそいでトイレに行いくと、娘むすめが泣なきそうな顔かおで、「うんちが、ね、うんちがプラプラする!」と、言いう。「うんちが、プラプラ? どういうこと?」と、私わたしはわけがわからずに娘むすめに聞きいた。しかし、娘むすめは「だから、うんちがプラプラするの!」と、うんちプラプラを繰くり返かえすだけだ。

「いったいどうしたんだろう?」。私わたしは、娘むすめのおしりを見みた。すると、確たしかに娘むすめのおしりから、何なにかがぶらさがってプラプラしている。それは白色しろいろで、娘むすめのおしりの穴あなから出でて、トイレの底そこに届とどきそうなぐらい長ながい。

「えっ、なに? 虫むし?」と、私わたしは不安ふあんになってよく見みてみた。するとそれは、うんちでもなく、虫むしでもなく、一本いっぽんの「えのきだけ」だった。

昨日きのうの夜よるは、みんなで鍋なべ料理りょうりを食たべた。お腹なかがすいていた娘むすめは、えのきだけをよくかまずに食たべた。それが娘むすめのお腹なかの中なかを通とおって、今いま、おしりから出でようとしている。しかし、上手じょうずに穴あなから出でられないで、プラプラしてしまったのだ。

プラプラがえのきだけだったとわかった娘むすめと私わたしは大笑おおわらい。「ごはんはよく噛かんで食たべようね」と約束やくそくして、私わたしは娘むすめのおしりをきれいにふいた。

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