馬うまは一条ひとすじの枯草かれくさを奥歯おくばにひっ掛かけたまま、猫背ねこぜの老おいた馭者ぎょしゃの姿すがたを捜さがしている。
馭者ぎょしゃは宿場しゅくばの横よこの饅頭屋まんじゅうやの店頭みせさきで、将棋しょうぎを三さん番ばんさして負まけ通とおした。
「何なに? 文句もんくをいうな。もう一番いちばんじゃ。」
すると、廂ひさしを脱はずれた日ひの光ひかりは、彼かれの腰こしから、円まるい荷物にもつのような猫背ねこぜの上うえへ乗のりかかって来きた。