宿場しゅくばの柱はしら時計とけいが十じゅう時じを打うった。饅頭まんじゅう屋やの竈へっついは湯気ゆげを立たてて鳴なり出だした。
ザク、ザク、ザク。猫背ねこぜの馭者ぎょしゃは馬草まぐさを切きった。馬うまは猫背ねこぜの横よこで、水みずを充分じゅうぶん飲のみ溜ためた。ザク、ザク、ザク。