どこでなにを食べようか、とぼくは考える。あちこちの店を、思い浮かべる。メニューにのっている料理のひとつひとつを、頭のなかのCRTスクリーンに呼び出していく。店の名や料理の名を、ぼくは頭のなかで声にしていく。言葉の響きが重なりあう様子は、ちょっとした詩のようだ。
リフエ・バーベキュー・イン。店主のミスタ・ササキは、元気だろうか。コンプリート・ディナーを食べても、代金はいまでも十ドル以内におさまる。ブロイルド・テリヤキ・バターフィッシュ。これにしようか。お茶が、いっしょに出てくる。緑茶の葉にパフド・ライスとポップコーンとを加えて入れたお茶だ。これが、たいへんいい。
ジュディーのオカズ・サイミン。この店は、リフエ・ショッピング・センターのなかにある。ビーフ・テリヤキ。フライド・マヒマヒ。シュリンプ・テンプラ。どれもみな、素晴らしい。どれを食べるとしても、マカロニ・サラダは欠かせない。
デアリー・クイーンのプレート・ランチ。あるいは、六十五セントのハンバーガー。ロジータという名前のメキシコ料理店の、メキシカン・サラダとサングリア。
夕方と言ってもまだ陽は高く、その光は充分に強い時間に、鯉の泳ぐ池のあるティー・ハウスで、ディナーはどうだろうか。ミソ・スープ。ポーク・トーフ。テリヤキ・ステーキ。タクワン。ライス・アンド・ティー。これは、ランチのメニューだ。庭には、燈籠がある。地元の英語では、ストーン・パゴーダだろうか。玉砂利を敷いた小径もある。ペブルド・パス、とでも言えばいいのか。
ハナマウル・レストラン・アンド・ティー・ハウスもいいけれど、卵と私、という名前の店でオムレツ・ランチ、という手もある。
この店があるのは、ライス・ストリートの4483。アクロス・フラム・リフエ・ショッピング・センター。十種類のオムレツが、メニューにのっている。卵をふたつ使ったオムレツをなんと言うか、知っているだろうか。トゥー・エッガー、とローカル・ピープルたちは呼んでいる。トゥー・エッガーには、ホット・ケーキが二枚、あるいはライス・ボールが、ついてくる。卵を三つ使ったオムレツが欲しいなら、それはスリー・エッガーだ。オムレツのなかみをなににするか、これが問題だ。ぼくの好みは、サウア・クリーム・アンド・チャイヴだ。普通にいきたければ、トマトにチーズが、すでに普遍の高みに到達している。
トゥー・エッグス・ウィズ・ハッシュド・ブラウンズ。かた仮名は、面白い。これにコーヒーとトーストを加えて、これは朝食だ。早朝からどしゃ降りの雨だといい。雨の午後には、マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンのローカル・ブランチも、風情のようなものをなんとか獲得する。
ハイウエイ56。カパアのすぐ手前にある店。名前を思い出せない。ヴィールあるいはポークのカットレット。ハンバーガー・ステーキ。ビーフ・トマト。サラダと、フライズ、あるいはライスが、ついてくる。どれも、ハイウエイ56の風味だ。
「シーフードを食べなさい」と提案している看板が、海を背景に出ている店。この店のシャーク・バーガーはどうだろう。シャーク・ミートのサンドイッチだ。親愛なるシャーク殿はソテーになっていて、グリルしたカイザー・ロールの上に乗っている。溶けたチーズ、レタス、トマトが重ねてある。マウイの玉ネギがつく。
窓辺のテーブルから、ナウィリウィリの港を見ることの出来る店。この店も、雨の日がいい。コースト・ガードの船をものうく見ながら、カントニーズ・ディナーがおすすめだ。アラスカン・スノー・クラブ・クロウズ。ブロイルド・ロブスター・テイル。キャッチ・オヴ・ザ・デイ。ナニニシマスカ。そうだ、それから、あれ。タートル・シェルズ・オン・ザ・ウォール。店の壁に、亀の甲が飾ってある。だからそれを指さして、ぼくは冗談を言ったのだ。