← Library‹ えほんのアリス 1 しろウサギ

むかしむかし アリスという おんなのこが いてね、 とっても へんてこな ゆめを みたんだ。

いったい どんな ゆめだったか、 ききたい?

さあて、 これが はじめの ばめん。 しろウサギが すぐそばを おおあわてで はしっていくところ、 アリスと すれちがいざま あしを とめて ポケットの とけいを とりだしてね。

そんなの おもしろくないって? よく みてごらんよ、 ウサギが とけいを ポケットに いれて もちあるいてるんだよ? そりゃあ ウサギだって とけいを もつなら ポケットに いれるってもんさ。 くちに いれたって もちはこべないしね ―― それに はしりまわるんなら、 てが たりなくなるし。

あと おめめが あかくない?(しろウサギって みんな おめめが あかいと おもうんだけど。) みみも あかい、 きている うわぎは すてきな ちゃいろ、 それにほら ポケットから あかい ハンカチが のぞいてる。 ほかにも あおの ネクタイやら きいろの チョッキとか、 ほんとに とっても おしゃれで。

「やんぬるかな!」と ウサギさん。「ちこくで おじゃる!」 いったい どこへ ちこくしそうなのかな?

うん、 それはね ごせんさまの ところなんだ。(もうちょっとしたら だいどころにいる そのひとの えが でてくるからね。) ごぜんさまはね いつも いらいらしてる おばさまのこと。 ウサギさんは またせたりしたら ひどく しかられるって おもってね。 かわいそうに これでもかってくらい びくびく。(どんなに ぶるぶるしてたか わかる? ちょっと ほんを ゆすってごらん、 みぎひだりに。 ほら、 ぶるぶるしてる。) だってね ウサギさん ばつとして くびを ちょんぎられるかもしれないんだよ。 ハートの クイーンが いつも やることなんだけど、 はらを たてたら ちょきん(さしえは また あとでね)。 といっても そのひと いつも ちょんぎれって いいつけるだけで、 そうなると おもいこんでるんだけど じつは だあれも そんなこと しない。

はてさて、 しろウサギが はしりぬけていったんだけど、 アリスは そのさきが きになってね。 だから ついてったんだ。 で、 はしって はしっていると いきなり ウサギあなに おっこちちゃって。

ずっと ずーっと おちつづけてね。 ぴゅ――うう――うう、 このまま せかいを まっすぐ つきぬけて、 うらがわに でちゃうんじゃないかって アリスは そんな きがしてきて!

ふかい ふかい いどみたいなのに おみずは ぜんぜん なくって。 こんなところへ ほんとに おちちゃったら どんなひとだって きっと しんじゃう。 でもほら ゆめのなかだから おちたって けがひとつ ない。 だって おちてると おもってるあいだも ほんとは よこになって なんのこともなく ぐっすり ねむってるだけなんだから!

それでも いつかは あなのそこに たどりつくわけで、 アリスは うずたかく つまれた おちばと えだのうえへ どすん。 けがひとつ なく ぴょんと おきあがると また ウサギのあとを おいかけたんだ。

こうして アリスの へんてこな ゆめが はじまったってわけ。 こんど しろウサギを みかけたらね、 アリスちゃんみたく へんてこな ゆめを みてみたら いいんじゃないかな。

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