ホミの父親は写真が好きだ。写真機、8ミリの撮影機、そしてヴィデオ・カメラの三とおりを、彼は好んでいつも手にしていた。
父親の趣味のために自分が被写体になることを、ホミは好んだ。いつでも、どんな要求にでも、被写体としてのホミは応えた。美少女のホミは父親にとって撮りがいがあった。急激に成長する時期でもあるいまは、撮るたびにホミは変化していた。だから父親は、頻繁に彼女を写真や8ミリに撮影した。
髪先にだけパーマをかけることを許した、というよりも自ら提案したのは、父親だった。十四歳のホミは、パーマをかけるといっきに十七歳くらいにまで、イメージの上では成長した。化粧するとさらに雰囲気が変化した。幼い頃からホミに多くの服を買いあたえて来たのも、父親だった。着る服ごとにホミが変化して見えるその様子を、彼としてはスティル写真や8ミリ・フィルムに撮影したかったからだ。
8ミリ・フィルムやスライドの映写、ヴィデオ・テープの再生、そしてスティル写真のプリントに、いつもまちがいなく、ホミは強い関心や熱意、そして喜びを示した。撮影されたのがつい先週の自分であっても、もはやどこにもいない過去の自分を、ホミは何度もくりかえして見ることが出来た。