← Library‹ かいじん二十めんそう 1

ある日ひ、しょうねんたんていだんのぽけっと小こぞうは、ひとりで、さびしいのはらをあるいていました。

ぽけっと小こぞうは、小しょうがっこう四よんねんせいですが、ようちえんのせいとみたいにからだが小ちいさくて、ぽけっとにでもはいりそうだというので、こんなあだながついているのです。

のはらには、はやしがあって、そのむこうに、りっぱなようかんがたっていました。

大おおきな三さんがいだてのいえです。

ぽけっと小こぞうは、そのようかんが、あまりへんなかっこうをしているので、そばまでいってみました。このへんにはいえがなく、このようかんだけが、ぽつんとたっているのです。

その、れんがのへいのそとをあるいていると、どこからか、「きゃあ」というさけびごえがきこえてきました。

びっくりして、あたりをみまわすと、ようかんの三さんがいのまどが、一ひとつだけあいています。

十とおぐらいの女おんなの子こが、そこからからだをのりだすようにして、たすけをもとめていました。ぽけっと小こぞうは、すぐ、ぽけっとから小こがたのぼうえんきょうをとりだして、目めにあてました。

この小しょうさいぼうえんきょうは、しょうねんたんていだんの七ななつどうぐの一ひとつで、いつでももちあるいているのです。ぼうえんきょうの中なかに、女おんなの子このかおが、大おおきくうつりました。そのかおが、とてもこわそうに、目めをいっぱいにひらいて、たすけをもとめているのです。

そのとき、ぼうえんきょうの中なかの女おんなの子このうしろに、大おおきな、きみのわるいものが、ぼんやりとうつりました。

あっ、らいおんです。たてがみのある、大おおきならいおんが、いまにも、女おんなの子こにとびつきそうにしているのです。

「きゃあ」

また、ひめいがきこえました。

ぽけっと小こぞうは、いきなりかけだしました。そして、ちかくのこうばんをさがして、そのことをしらせたのです。

おまわりさんは、びっくりして、ふたりづれで、そのようかんにかけつけました。

げんかんのべるをおすと、中なかから、白しろいあごひげのあるおじいさんがでてきました。

「わしは、このいえのしゅじんだが、うちには、そんな女おんなの子こはいない。まして、らいおんなど、いるはずがない。その子こどもは、ゆめでもみたんだろう。はははは」

とわらいとばすのでした。

おまわりさんは、しかたがないので、そのままひきあげてしまいました。

けれど、ぽけっと小こぞうは、どうしてもあきらめることができません。よるになるまで、ようかんのまわりをあちこちあるきながら、もう一いちど女おんなの子このかおがみえないかと、まちかまえていました。でも、あのまどは、もうしまっていて、しいんとしています。

よるになると、ぽけっと小こぞうは、もんの中なかへしのびこみました。

ぽけっと小こぞうは、こっそりと、ようかんのよこへまわっていきました。

すると、一いちかいの一ひとつのまどに、あかりがついています。のぞいてみると、そこに、さっきの女おんなの子こがいるではありませんか。

女おんなの子こは、くろいきれで目めかくしをされ、さるぐつわをはめられています。そのそばに、くろめがねのわかいおとこが、こわいかおをして、たっていました。

そのとき、もんのそとに、じどうしゃのとまるおとがしました。ぽけっと小こぞうは、

「あっ、きっとそうだ」

とうなずきました。

足あしおとのしないようにかけだして、もんのそとへでてみると、大おおがたのじどうしゃがとまっていました。

じどうしゃのうしろの、にもつをいれるとらんくのふたがうまくひらきました。ぽけっと小こぞうは、いきなり、その中なかへもぐりこんで、もとのとおりにふたをしめました。

まもなく、くろめがねのおとこが、女おんなの子こをつれて、じどうしゃにのると、そのまま、どこかへはしりだしました。

あの女おんなの子こは、いったいだれなのでしょう。ひるまみたのは、ほんとうのらいおんだったのでしょうか。そして、とらんくにかくれたぽけっと小こぞうは、これからなにをするのでしょうか。

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