あるばんのことです。くろいめがねをかけたおとこが、かわいらしい女の子をじどうしゃにのせて、どこかへつれていくのです。しょうねんたんていだんのぽけっと小ぞうは、じどうしゃのうしろのとらんくの中にかくれました。
じどうしゃは、さびしいはらっぱでとまりました。
くろめがねは、女の子の手をひいて、くるまからおりました。あたりはまっくらです。大きな木の下に、ひとりのおとこがはこをもってたっていました。
「やくそくのほうせきは、もってきたか」
くろめがねがきくと、おとこがうなずきました。くろめがねは、つれていた女の子と、おとこのもっていたはことをとりかえっこしました。ぽけっと小ぞうは、とらんくのふたをすこしひらいて、みていました。
「ははあ、わかったぞ。ほうせきばこと、女の子をとりかえたんだな。よしっ、ぼくは、きっと、ほうせきばこをとりかえしてやるぞっ」
くろめがねは、ほうせきばこをもって、じどうしゃにのりました。
そして、もとのあやしいようかんにかえりました。
とらんくの中にかくれていたぽけっと小ぞうも、そこからでて、ようかんの中へしのびこみました。
うすぐらいろうかを、足おとをしのばせてあるいていきました。
つきあたりのどあがひらいていたので、そのへやへはいっていきました。
へやの中は、まっくらです。かいだんのようなものが、あったので、二だんのぼりました。そのとき、うしろで、がちゃんというおとがしました。
おどろいてうしろに手をのばしてみると、そこには、てつのこうしがしまっていたではありませんか。
ぱっと、へやのでんとうがつきました。
「あっ、たいへんだっ」
ぽけっと小ぞうはさけびました。それは、大きなもうじゅうのおりで、ぽけっと小ぞうは、その中へとじこめられていたのです。さっき、がちゃんといったのは、おりのとがしまったおとでした。
むこうのすみに、一ぴきのらいおんがねそべっていました。
らいおんは、ぽけっと小ぞうがはいってきたのをみると、ぐうっとくびを上げて、こわい目でにらみつけました。
ああ、ぽけっと小ぞうは、らいおんにくわれてしまうのでしょうか。