おまわりさんが、まちへおりていって、でんわをかけました。
しばらくすると、ウーウーというサイレンのおとがして、しょうぼうじどうしゃが、山へのぼってきました。
ぐんぐんのびたはしごが、大きなかんのんさまのかたにとどきました。ひとりのしょうぼうしが、それをかけのぼっていきました。
二十めんそうは、かんのんさまのかたに、ぐったりとよこたわっています。
しょうぼうしは、二十めんそうをつかまえました。
あっ、どうでしょう。つかまえた二十めんそうを、いきなり、下へなげだしたではありませんか。みんなは、そこへかけよりました。
「あっ、またにんぎょうだ」
二十めんそうは、いつのまにか、にんぎょうといれかわって、じぶんはどこかへにげてしまったのです。
いくらさがしてもみつからないので、おまわりさんもしょうねんたちも、ひきあげました。
だれもいなくなったあとに、こばやしくんとポケット小ぞうが、くさの中にかくれて、じっとまっていました。
すると、むこうの木のしげみがガサガサとうごいて、ひげだらけの、こじきのようなおとこがあらわれました。
「あいつ、きっと、二十めんそうがへんそうしているんだよ。さあ、あとをつけよう」
ふたりは、おとこのあとをつけました。
山をおりて、まちのほうへあるいていくと、はやしの中に、一けんのふるいせいようかんがたっていました。
これも、二十めんそうのかくれがかもしれません。
「ぼく、中のようすをさぐるから、きみは、けいさつにしらせてくれ」
いわれて、ポケット小ぞうは、いきなり、まちのほうへかけだしました。
こばやしくんが、へやからへやへとさがしていると、どこからか、へんなこえがきこえてきました。
「こばやしだな。まっていたぞ。おれは、どこにでもかくれがをもっている。ここもそうだ。だが、ようじんしないと……」
そのこえがきえると、ゆかが、ぱっと二つにわれて、四かくなあながひらきました。
こばやしくんは、ドスンとコンクリートのちかしつにおちこみました。ひどくこしをうって、おき上がれません。
そのとき、ドドドドドとものすごいおとがして、コンクリートのかべのまるいあなから、水がたきのようにおちてきました。
水ぜめです。ああ、こばやしくんは、どうなるでしょう。